3.1 / 取締役会・人的資本開示・コンプライアンス担当向け

会議の構造を、組織の説明責任に。

Kashiは、対話の構造的メタデータを観測し、組織の対話健全性を継続的に可視化する会議ガバナンス・プラットフォームです。

発言シェアの偏り、頻繁な遮り、ファシリテーションの欠如など、日常的な振り返りでは見過ごされがちな構造的パターンを観測します。提供されるのは、根拠に基づいたプロセスの改善示唆であり、個人の特定や評価ではありません。

本ページは、稟議書・取締役会資料・人的資本開示の根拠資料としてご活用いただける形式で整理しています。

3.2 / 想定読者と意思決定の論点

取締役会・人事責任者・コンプライアンスが、それぞれ別の論点で評価できます。

Kashi は、組織内の異なる立場から見た「対話健全性」を一つのプラットフォームで扱います。本ページでは、3つの主要ステークホルダーごとに、検討の論点を整理しています。

経営層 / 取締役会

人的資本開示の説明責任を、観察可能な指標で支える。

  • 取締役会向けに、k-匿名化された組織レベルの対話パターン指標を提供
  • ハラスメント関連リスクの早期把握により、訴訟・調査の説明責任を補強
  • 離職・登用判断の根拠を、自己申告ではなく構造観察で補完
  • 監査ログによる第三者監査対応の容易性
人事責任者 / CHRO

サーベイの自己申告依存を、構造観察で補完する。

  • エンゲージメントサーベイ・1on1ログでは捕捉できない構造的予兆を観測
  • ハラスメント相談前のエスカレーション兆候を、k-匿名化されたチーム集計で確認
  • 管理職研修の前後における行動変化を直接測定
  • 介入すべき部署の優先順位を、観測されたパターンに基づいて整理
コンプライアンス / 法務

パワハラ防止法・人的資本開示・SSBJ基準への対応根拠を整備する。

  • パワハラ防止法 (改正労働施策総合推進法) の事業主措置義務に対する観察記録
  • カスハラ防止措置 (2026年10月施行) への内部体制整備の補強
  • SSBJ基準・人的資本開示拡充への構造的データ供給
  • データ取り扱いに関する DPA 草案は、Kashi 担当者より別途提供
3.3 / 規制動向

日本国内では、対話・人的資本に関する公的義務が段階的に拡大しています。

以下は公開情報に基づく規制スケジュールの整理です。Kashi は各規制への直接的な「適合保証」を行うものではなく、企業の内部体制整備および説明責任の根拠資料として活用いただくことを想定しています。

施行時期 制度・法令 主な内容 企業に求められる対応の方向性
2022年4月〜
施行済み
パワハラ防止法
(改正労働施策総合推進法)
全企業に対し、職場におけるパワーハラスメント防止のための雇用管理上の措置義務 方針明確化、相談体制、事案発生時の事実確認、再発防止策の整備出典: 厚生労働省「職場におけるハラスメント対策」
2023年3月期〜
施行済み
人的資本開示
(企業内容等の開示に関する内閣府令)
有価証券報告書における人材育成方針・社内環境整備方針等の開示義務 定量・定性両面での開示根拠の整備出典: 金融庁「企業内容等の開示に関する内閣府令」
2026年10月1日
残り約5ヶ月
カスハラ防止措置義務化
(改正労働施策総合推進法)
顧客・第三者からのハラスメントから従業員を守る雇用管理上の措置義務 企業方針の明確化、相談・対応体制整備、事案発生時の対応出典: 厚生労働省「カスタマーハラスメント対策」
2026年10月1日
残り約5ヶ月
就活生等へのセクハラ防止措置義務化 就活生・インターン生に対するセクシュアルハラスメント防止措置義務 外部関係者を含む相談窓口の整備出典: 厚生労働省「セクシュアルハラスメント対策」
2027年3月期
残り約11ヶ月
SSBJ基準
(プライム上場・時価3兆円超 強制適用予定)
サステナビリティ基準委員会 (SSBJ) による開示基準の段階適用 サステナビリティ情報の有価証券報告書での開示準備出典: SSBJ「サステナビリティ開示基準」
2028年3月期
残り約23ヶ月
SSBJ基準
(プライム上場・時価1兆円超 強制適用予定)
強制適用範囲の段階的拡大 対象企業群の拡大に向けた早期準備出典: SSBJ「サステナビリティ開示基準」
2028年5月まで
残り約24ヶ月
ストレスチェック義務化拡大
(労働安全衛生法)
従業員数 50名未満の事業場への義務化拡大が予定 小規模事業場での実施体制整備出典: 厚生労働省「ストレスチェック制度」

※ 各制度の施行時期および対応要件は公開情報を整理したものです。最新かつ正確な内容は、各所管官庁の公表資料をご参照ください。

3.4 / リスクの規模

対話不全に起因する潜在的損失の規模感

以下は、公開情報および業界推計に基づく、対話不全が深刻化した場合の代表的なコスト構造です。Kashi はこれらの数値の改善を約束するものではありません。むしろ、これらが顕在化する前段階の構造的予兆を観測することを目的としています。

¥15M – 20M
中堅社員1名の補充・教育・損失コスト (推計)
出典: 国内労働市場データに基づく推計
¥5M – 15M
国内のハラスメント訴訟の平均和解金 (推計)
出典: 厚生労働省統計・判例データベースに基づく推計
10,000+
2024年の退職代行サービス推定利用者数
出典: 業界レポートに基づく推計
3〜6ヶ月
ハラスメント相談から調査開始までの平均所要期間
出典: 国内人事担当者向け調査に基づく推計
6%
日本の従業員エンゲージメント率
出典: Gallup, State of the Global Workplace 2025
ご相談
本契約での月額・年額削減効果 / 想定 ROI
Kashi は組織固有の状況に依存する成果数値の保証を行いません。導入後の測定指標は、ご担当者と協議の上で個別に設計します。

※ 上記推計値は社外への引用を想定したものではなく、本ページ閲覧者の参考情報です。詳細な出典資料および試算方法については Kashi 担当者まで個別にお問い合わせください。

3.5 / アーキテクチャ

1つの接点から、4つの視点で構造を可視化する設計

Kashi は、会議における誰が話し、誰が遮られ、誰が沈黙し、どのように意思決定が行われたかという 構造的メタデータ を分析します。発言内容そのものではなく、相互作用の構造を観察対象としています。

LAYER 01 / 予防的

個人向け — 行動パターンの可視化

各メンバーは、自分自身の参加パターンを監査ログで確認できます。このデータはデフォルトで本人のみに公開されます。マネージャー画面・経営層画面で個人のアイデンティティが特定されることはありません。

本人専用ビュー 監査ログ RLS制御
LAYER 02 / 予防的

チーム向け — 相互作用の可視化

チーム内での発言の偏り、占有時間、度重なる遮りなど、チームレベルの相互作用を可視化します。「アラートがない」ことは「問題がない」ことを保証するものではなく、観測範囲内で特定の基準に達した予兆がなかったことを示します。

k-匿名化 (5名以上) エビデンス等級表示 時系列観察
LAYER 03 / 是正的

マネージャー向け — 自己修正の鏡

マネージャー自身のファシリテーションパターンを客観的に見直すためのフィードバックを提供します。チームメンバー個人の情報は伏せられます。これは評価ではなく、次の会議で使える具体的な言い回しの提案を通じた気づきの提供です。人事評価に直結するデータではありません。

本人専用ビュー 月次振り返り 非評価用途
LAYER 04 / 是正的

経営・管理向け — 組織全体のガバナンス

経営層・管理者は、k-匿名化された集計レポート (チーム単位 5名以上) を確認できます。個人の特定や発言録の閲覧は不可能です。このデータは改善対話・コーチングの素材として活用されるべきものであり、降格・昇進・報酬などの直接的決定根拠にはされません。

k-匿名化集計 監査可能エクスポート 非報酬決定用途
3.6 / 統制設計と用語定義

監視ではなく評価でもない、設計上の境界線

Kashi は監視ツールではありません。多くの HR ツールは「監視 (悪事を見つけて罰する)」か「サーベイ (正直に答えてくれることを期待する)」のいずれかに分類されますが、Kashi はそのどちらでもありません。

設計上の境界線として、以下を明示しています:

(1) 個人特定の構造的禁止 — 経営層・管理者の画面では、k-匿名化された集計 (5名以上のチーム単位) のみが表示されます。マネージャー画面ではチーム集計が、本人専用画面では本人のみのデータが表示されます。

(2) 評価への直接利用の禁止 — Kashi のデータは、降格・昇進・報酬決定の直接根拠として利用されることを意図していません。改善対話・コーチングの素材として位置づけられます。

(3) 成果保証の不在 — Kashi は「離職率改善」「生産性向上」などの数値的成果を保証しません。組織固有の文脈に強く依存するため、観測結果を提供する立場に留まります。

(4) 発言内容を保存しない — 音声・発言文字列はデータベースに保存されません。構造的メタデータのみが分析対象です。詳細は Kashi 担当者より別途技術仕様書を提供いたします。

3.7 / 既存HRツールとの設計前提の違い

競合がいないわけではなく、設計の前提が異なります。

既存の HR ツールカテゴリは、それぞれ異なる前提に基づいて設計されています。Kashi はそのいずれにも代替するものではなく、構造観察というレイヤーを補完するものです。

カテゴリ 主な例 兆しを捉える時期 予兆を見逃しがちな理由
エンゲージメントサーベイ Wevox / モチベーションクラウド / HRBrain 等 四半期ごとの点観測 自己申告のため主観に左右され、建前になりやすい
内部通報・相談窓口 社内ホットライン、外部通報受付窓口など 問題が表面化し、通報があった後 受けた本人が自ら声を上げる勇気を必要とする
360度評価 各種サービス 半年〜1年ごと 人の主観が入るため、配慮や忖度が働きやすい
コミュニケーション分析 (ONA) Humanyze / Teamspective 等 Slackやメールのメタデータから 対面・音声でのリアルな会話を捉えられない
Kashi 会議の構造から継続的に観測 事後の感想ではなく、実際の相互作用を直接観察する
3.8 / パイロット導入

1チーム / 30日間 / 共同レビュー

確かな成果なしに、このような繊細なツールを導入いただくべきではないと考えています。検討の進め方を判断しやすくするため、パイロット導入の枠を毎月限定で用意しています。

01
任意の1部署から開始
チーム状況をより深く把握したい部署をお選びください。
02
期間は30日間
有益なデータを蓄積するのに十分で、かつ決断しやすい短期間です。
03
パイロット期間中は無料
継続については最終レビュー後に個別にご相談します。
04
人事責任者との最終レビュー
導入後に共同でレビューを行い、実効性が確認できない場合はそこで終了いただけます。
05
毎月3枠限定
品質維持のため、Kashi チームが導入を直接サポートします。

※ パイロット仕様の詳細条件、対応会議ツール、認証連携などの個別事項については、Kashi 担当者にご相談ください。